「頭蓋顔面劣成長症候群」とは

投稿日:2017年4月8日

カテゴリ:小児矯正

こんばんは😊

今日、国立駅前の大学通りを散歩しましたが、桜が満開で、きれいでしたよ😆チャンスがありましたら、みなさんもぜひ行かれてみてはいかがでしょうか。

さて、今日から「頭蓋顔面劣成長症候群」という病気について書きたいと思います。聞いたことのない病気ですよね。なぜか?それは、私が世界で初めてつけた名前ですから(笑)でも、この病気が解決できれば、その子供の人生は大きく変わり、健康な人生を送れると心から信じています。では、どんな病気なのか説明していきます。

そもそも頭蓋顔面とはどこなのか?それは頭蓋骨全体と思っていただければわかりやすいと思います。

「頭蓋骨」の画像検索結果

この頭蓋骨は30個ほどの小さな骨が組み合わさって構成され、全ての骨が連動して成長します。

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そのため、どこかひとつの骨の成長がうまく成長できないと、全体のバランスが崩れて、成長不足になります。これが「頭蓋顔面劣成長」です。

では、どこの骨がうまく成長できない場合が多いのでしょうか?それは上顎の骨(上顎骨)です。

この緑色の骨が上顎骨です。なぜ、上顎骨がうまく成長できなくなるのでしょうか?このことを説明する前に、上顎骨の正しい成長とその条件について考えてみましょう。

イギリスの有名な矯正専門医John Mew先生は「上顎骨の正しい成長方向は前方向であり、その正しい成長を促す条件は「①口を閉じ②舌が上顎につき③歯が1日4〜8時間噛み合っている、もしくはそれに近い状態であること」と言っています。これをわかりやすくすると、重力に従って下方向に成長する上顎骨を唇、舌、そして下顎で支えることにより、下方向への成長を妨げ、前方向に成長させてあげよう、ということです。これが、上顎骨の正しい成長とその条件です。

では、このことを念頭に入れて、なぜ上顎骨がうまく成長できないか?ということについて説明したいと思います。

答えは、①口がポカンと開き②舌の位置が下がり③歯が噛み合っている時間が短いため、上顎骨の支えがなくなるからです。その結果、上顎骨の成長が悪くなる、つまり成長方向が下方向になってしまうのです😣

上顎骨の成長が悪くなり、頭蓋骨全体の成長バランスが崩れ、「頭蓋顔面劣成長」が起こるのです。この「頭蓋顔面劣成長」が様々な身体のトラブルの引き金になる可能性があるのです😳どんなトラブルか?それは、不正咬合(噛み合わせが悪い状態)から、喘息、アトピー性皮膚炎、腰痛、さらにはうつ病、パーキンソン病、脳梗塞や心筋梗塞など、恐ろしい病気ばかりです。これらの病気を総称して、私は「頭蓋顔面劣成長症候群」と名付けることにしました。

あるデータによると、現代の子供の8割は1日の80%の時間、口を開けているそうです。つまり、1日の大半は口をポカンと開け、舌が下がっている状態です。これに加えて、現代食は柔らかいものばかりで、良く噛む子が減ってきています。結果、現代の多くの子供が上顎骨の成長が悪い、すなわち「頭蓋顔面劣成長症候群」になっているといっても過言ではないのです。

当院では、「小児矯正・頭蓋顔面科」を設立し、Myofunctional Research Companyの小児矯正システムを用い、「歯科矯正治療」の枠を超えた「頭蓋顔面劣成長症候群の治療」に力を入れていきたいと思っています。

この病気の治療により、多くの子供が健康で幸せな人生を送れることを心から信じています😊