根管治療において大切なこと ラバーダム

投稿日:2017年5月13日

カテゴリ:根管治療

根管治療中に細菌が歯の内部に入り込み失敗するケースがある

根管治療が必要な理由は、「歯の内部の感染」です。この感染により、歯は細菌に蝕まれ、そして根の先に炎症を起こしてしまうのです。この歯の内部の感染を取り除くはずの根管治療中に、細菌が歯の内部に入り込んでしまうことがあります。なぜなら、口の中は、まさに「細菌の海」を言われるほどのばい菌が住み着いているからです。この感染が原因で、根管治療が失敗してしまうことがあるのです。

 

口腔内にオペ室を作ることができる「ラバーダム」

この細菌だらけの口腔内に、細菌の少ない環境、いわゆる「オペ室」作り出す方法があります。それがラバーダムです。

これがラバーダムです。治療する歯にラバーダムクランプと呼ばれる金具をかけ、ゴムのマスクをつけるのです。これにより、根管治療の失敗の原因である細菌が極端に少ない環境かで治療を行うことができるのです。歯の周りが茶色いのは、ヨードにより消毒したためです。また、治療前に歯磨きをして、細菌のかたまりであるプラークを取り除きます。必要があれば、ラバーダムと歯の間の隙間を専用の材料「オラシール」で埋めます。

実際のラバーダム術野の消毒の動画です。ご覧ください。

ラバーダムにより、口腔内に細菌の少ない環境、つまり「無菌的な環境」を作り出すことができるのです。実際に、このラバーダムをすることにより、根管治療の成功率が上がる、と報告している科学的な根拠もあります。

 

ラバーダムをするその他のメリット

処置がしやすい

口腔内には、舌や頬などの構造物があり、これらが治療の邪魔になることがあります。ラバーダムは、これらの構造物の邪魔を排除してくれる働きがあります。

誤飲・誤嚥の防止

処置中に器具を、口腔内に落としてしまうことがあります。その際に、その器具を間違って飲み込んでしまうことを防ぐことができます。

患者さんが楽に治療を受けることができる

ラバーダムをすることにより、楽に治療を受けることができた、という患者さんがいます。術者の都合だけではなく、患者さんにとってもメリットがラバーダムにはあります。

 

まとめ

当院では、ラバーダムは、根管治療を成功に導くためには欠かせない、とても大切なものとして考えています。なぜなら、多くのメリットがラバーダムにはあるからです。根管治療がうまくいかず、相談に来られる患者さんを多く見てきましたが、それらの患者さんのほとんどがラバーダムなしで根管治療を受けられていたそうです。根管治療が失敗してしまった原因は、もしかしたら、ラバーダムのない根管治療を受けたからかもしれません。もし根管治療が必要になった場合は、ラバーダムを用いた治療を受けられることをおすすめ致します。

柳沢歯科医院