歯が痛い。他院で抜いたほうがいいと言われた。

投稿日:2024年1月9日

カテゴリ:根管治療

ある患者さんが歯が痛くなったので、ある歯医者に行ったら「この歯はダメだから抜いたほうがいい。インプラントが適応です」と言われて、抜かない歯医者を探して当院に来院されました。

お口の中を見てみると、昔に被せたものが欠けていました。

診査すると、痛みがあり、腫れはありませんでした。

これが歯の写真です。

マイクロスコープという、歯科用の顕微鏡で拡大して撮影しています。

よく観察すると被せ物が欠けただけではなく、歯にヒビが入っているのもわかります。

歯に少し触るとヒビが広がりました。これは離断してプラプラしている状態です。

これでは確かに痛みが出てしまいます。

さらにレントゲンなどの資料をとり、治療計画を患者さんに説明します。

 

やはり治療は抜歯なのでしょうか?

 

抜歯とは

そもそも、抜歯という治療はなぜ行うのでしょうか?

歯を残せるなら残したほうがいいのは、どの患者さんでもどの先生でも思っていると思います。

我々歯科医師が行なっている治療で、虫歯や歯周病の治療は、細菌との戦いです。

この虫歯や歯周病の原因の細菌を取り除く治療が虫歯を詰める治療、根管治療、歯茎のお掃除なのです。

そして、普段皆様が行なっている歯磨きも、細菌が歯につかないようにすることが目的です。

なので、細菌が取り除くことができれば、その歯は保存することができます。

しかし、すべての細菌を取り除くことはできません。家のお掃除もすべての埃を0にすることはできません。

ある程度の細菌を減らすことができれば、自分の免疫が優位になり、その虫歯や歯周病は抑えることができます。

しかし、あまりに細菌が広範囲に広がっている場合、歯を残しながら細菌を取り除くことが困難になってしまいます。その場合は、歯ごと細菌を取り除くことで治癒へ導きます。これが抜歯です。歯を抜いてしまえば、基本的には細菌は取り除くことができます。ただ、歯がなくなってしまうという大きなデメリットがあります。

抜歯は実は大きなメリットがありますが、デメリットも大きのです。

デメリットばかり注目されがちですが、大きなメリットがあるのは忘れてはいけません。

治療法の診断

虫歯や歯周病の範囲が大きい場合に、先生の診断としては、①困難な治療を行えば、歯を残しながら汚れが取れる可能性がある。②歯を抜けば必ず虫歯と歯周病は治る。

この選択をして、患者さんに、お伝えしていることになります。

そして、歯科医師の先生には、虫歯治療が得意、歯周病治療が得意、入れ歯が得意、インプラント、小児歯科、抜歯、など様々な得意不得意があります。

つまり、その先生が、歯を残す治療が得意でなければ、より②を選択するでしょうし、当院のように歯を残すことが得意であれば①を選ぶことが多いです。

歯を残す治療はメリットは歯を残せますが、デメリットは時間やお金がかかったり、治らなかったりします。

抜歯を薦める先生が悪いわけではありません。ただ、患者さんの希望と先生の行える治療法が合わなかっただけです。

もし歯を残す治療を希望であれば、当院に連絡ください。もしくは、その歯医者さんで歯を残す治療が得意な先生を紹介してもらえるか聞いてみるのもいいかもしれません。

今回のこの歯はヒビが入っているため、おそらくほとんどの歯科医院で抜歯を選択されると思います。

ヒビが入っていると、細菌を取り除いても、ヒビからどんどん新しい細菌が侵入してしまうためまず治せません。

当院でもヒビが入っていて抜歯になったケースはあります。

今回は、特殊な治療法を駆使してなんとか残すことができましたが、予後は良くないことをお伝えしました。

根管治療でお悩みや、歯を残す治療を希望して調布市の歯科医院をお探しの方は柳沢歯科医院にご連絡ください。