歯の神経を残す治療法(歯髄が露出した場合)

投稿日:2023年8月24日

カテゴリ:根管治療

歯の構成は、エナメル質、象牙質、歯髄(神経)となっています。

歯髄には、様々な刺激を脳へ伝える神経と伴に、無数の毛細血管が存在します。この毛細血管は、歯に栄養と酸素を供給する大切な役割を担っています。

虫歯が大きくなると歯髄が壊死してしまうことがあります。

この状態を放置すると感染が広がり、強い痛みや歯茎の腫れ、歯の動揺などが生じてしまい、根管治療が必要になります。根管治療は難しい治療で一般の歯科医院での成功率は低く、再発することが多いです。成功率の高い根管治療を行なっている歯科医院もありますが、その時に治ったとしても、歯の強度自体は弱くなっており、割れて抜歯になる可能性が上がります。つまり根管治療が必要になった時点で天然の歯に比べるとその歯の寿命は短くなってしまいます。

だから神経は取らないほうがいいです。神経があるとないとでは、その歯の寿命は大きく変わるでしょう。

神経が壊死するほど大きな虫歯は根管治療をしないといけませんが、その手前のぎりぎり判断が難しい歯に関してはしっかり残す治療を受けた方がいいです。

しかし、神経を残す治療は診断が難しいのと治療後に痛みが出ることがあります。そして治療後に結局根管治療が必要になることもあります。

つまり、神経を残す治療をしたら痛みが出てしまったり、結局根管治療が必要になるのであれば、最初から神経をとって根管治療を行なっておいた方が、痛みのコントロールや来院回数を減らすことにつながります。そのため歯科医師側も治療後にトラブルが出るリスクがあるなら、最初から根管治療に踏み切ることが多いように感じます。これによって、悲しいことに、神経を残せた歯も神経を抜いてしまっている可能性があります。

当院では、まずは神経を残す治療を行なって、その結果神経が壊死したり炎症が起こってしまったのであれば、その時初めて神経を取る治療を行なっています。

患者さんによっては、最初から神経を取ることを希望する方もいますが、それでも神経は残した方がいいことをお伝えするようにしています。

神経を残した治療の一例をお見せします。

ある患者さんが歯にものが詰まるという理由で来院されました。

強い痛みはないですが、たまにしみる症状があるようです。

明らかに不適合な詰め物があり、その下で虫歯になっているようです。神経の検査を行なったところ正常の反応があり、レントゲンでみると大きな虫歯が確認されたので神経は生きているがかなり虫歯は大きく、痛みがないからといって放置すると神経が壊死してしまう状態でした。患者さんに同意をとり治療に入りました。

削っていくと内部がドロドロになっていました。

虫歯染め出し液で虫歯だけを染めていきました。

明らかに虫歯の範囲がわかります。そして大事なのは健全な部分もわかるところです。

保存できるところはしっかり保存して、虫歯になった部分だけを選択的に除去することができます。この一手間をしっかりやることが大事ですし、毎回患者さんにもこのようにご自身の画像はお見せしていますので、どのくらいの虫歯になっているのか理解しやすいと思います。

青いラバーダムマスクを行い、清潔な状態で治療を行なっています。真ん中に神経の穴が見えています。

歯髄が少し露出してしまっています。唾液などが触れない清潔な状態で虫歯を除去し、綺麗に清掃してからセメントで穴を封鎖します。(MTAセメント)

ライトを変えているので少し見にくいですが、穴を封鎖しています。

穴が封鎖できればあとは普通の詰め物を行なっていくだけです。

ここから丁寧に詰めていきます。

詰め終わったところです。

穴が綺麗に詰めてあり、むしろ普通の歯のようになっています。

段差なく高い精度で詰めることが再治療を防ぎます。

このあとしっかり経過を追っていくのも大事です。クリーニングに来てもらった時に、レントゲンなどの検査を行い、症状を確認します。神経を保存した歯は一見治療後すぐは問題なくても数ヶ月後に症状が出ることがあります。治療したから終わりではなく、その後もしっかりその歯が生活しているかを見届けるのも歯科医師の大切な仕事だと感じています。

神経を残す治療、虫歯治療、根管治療でお悩みの方で調布市の歯科医院をお探しの方は柳沢歯科医院にご連絡ください。