他院で抜歯→インプラントを勧められた患者さんの話①

投稿日:2017年3月6日

カテゴリ:根管治療

こんにちは😊

今日は、他院にて右上の6歳臼歯を抜いて、インプラントを勧められた女性の患者さんについて、2回に分けてお伝えします。

彼女は、右上に眠れないほどの痛みを感じ、近所の歯科医院に行ったところ、右上の6歳臼歯の根の先に炎症があり、残せないため、インプラントを勧められたそうです。抜歯は避けたいため、セカンドオピニオンで当院を受診しました。

診察したところ、根尖性歯周炎(虫歯が原因の根の先の炎症)と診断し、歯を抜かないで保存するための根管治療(根の内部をきれいにする治療)をすることになりました。治療の結果、残することができました😆患者さんも自分の歯を残し、噛むことができているので、満足しています☺️患者さんから感謝されるのは、やっぱりうれしいですね。

ところで、本題はこれから。下りが長くてすみません😅

ここ10年〜20年で、インプラント治療は多く広まりました。歯が無くなってしまった部分に、人工歯根を植え込み、入れ歯を使わないで食事できるようになるインプラントは素晴らしい治療です。しかし、残せるはずなのに、抜歯をして、インプラントされてしまった人も増えてしまったように思います。今回の患者さんもそのうちの一人になってしまった可能性がありました。この理由のひとつに、根管治療は、実は多くの歯医者さんが苦手な難しい治療であり、しかも、保険治療の報酬がとても低い😳これは国家の問題だと思うくらいに低いのです。それに比べ、インプラントはちゃんとした準備をすれば、比較的簡単にできてしまう、自由診療。歯医者さんは儲かります。難しくて安い根管治療ではなく、比較的簡単な処置で自由診療のインプラントを選んでしまう・・・気持ちは十分にわかります。根管治療、難しいですもん😭でも、患者さんの立場に立つと、やっぱり自分の歯で噛みたいですよね😀

インプラント治療は、安全に行えば、入れ歯に代わる素晴らしい治療です。しかし、体にとっては異物。天然の歯にはかないません😭残念ながら、歯を残すことができないため、インプラント治療が必要な場合と、まだ歯を残せる治療がある場合をしっかりと見極め、その患者さんにあった治療を選ぶこと。これが歯科医師の大事な役割のひとつだと感じています。

以上、セカンドオピニオンに来られた患者さんの治療を通じて感じたことでした。

次回は、この患者さんに行った実際の治療を紹介します☺️