根管治療において大切なこと 修復物・補綴物の除去

投稿日:2017年5月9日

カテゴリ:根管治療

修復物・補綴物とは

虫歯の治療をした部分につめたり、かぶせたりするものを「修復物・補綴物」と呼びます。

 

修復物・補綴物の除去の必要性

全てではないですが、根管治療を必要とする多くの歯では、これらが以前に装着されています。虫歯や根の内部の汚れを取り除くためには、まず、これらを取り除く必要があります。

 

余計な歯の部分を削らないことが最重要ポイントのひとつ

根管治療した歯が長持ちする最重要ポイントは、「その歯にどれだけの量が残っているか」ということです。以前に装着されていた修復物・補綴物を取り除く時には、余計な歯の部分を削らないことがとても大切です。

 

最も取り除くのが難しい修復物「ポスト」

さまざまな種類の修復物がありますが、中でも、余計な歯の部分を削らずに取り除くのが難しいのが、ポストです。ポストは、歯の根の内部に挿入し、修復物・補綴物が取れないようにする、いわば「芯棒」の役割を果たしています。このポストを取り除く時に、多くの歯を削ってしまうことが多いのですが、当院では、マイクロスコープを使い精密に、さらに、新品の除去バーを用いることにより、余計な歯の部分を削らないようにしています。

ここで、余計な歯の部分を削らずにポストを取り除いた症例ひとつご紹介致します。

治療する歯は、真ん中の肌色の被せ物が装着されている歯です。

術前のレントゲン写真です。3本白く写っていますが、治療したのは一番右の歯です。根の先が黒く抜けていますが、これは根の先の炎症「根尖性歯周炎」になっている証拠です。この歯の根管治療を行いましたが、根の内部にアプローチする前に取り除く必要があるのが、根の内部に挿入されている「ポスト」です。

マイクロスコープで確認したポストです。銀色のものがそうです。

これを、新品の除去バーを使って、余計な歯を削らないよう、慎重に取り除いていきます。

ポストを取り除いた後の写真です。ただでさえ歯の量が少なくなっている歯の余計な部分を削らずに、ポストを取り除くことができました。

このあと、通常の根管治療を行っていきます。

 

まとめ

根管治療は根の内部の汚れを取り除き、歯の健康を維持する治療ですが、その内部にアプローチするまでには、さまざまな障害物があります。その障害物を、マイクロスコープと新品のバーを使って、余計な歯の部分を削らないように取り除くことが、根管治療をした歯を長持ちされるための最重要ポイントのひとつです。

柳沢歯科医院