長い根管が特徴の犬歯の根管治療

投稿日:2017年6月26日

カテゴリ:根管治療

左上の歯茎が腫れている・・・

今回の患者さんは、最初、左上の奥歯のつめ物が取れてしまったとのことで来院されましたが、口の中を見ると、左上の犬歯のあたりの歯茎が腫れていました。

レントゲン写真です。根の先に黒く抜ける透過像があります。診査の結果、根尖性歯周炎と診断し、根管治療を行いました。

ラバーダムをして、根管内をマイクロスコープで確認しました。なにやら黄色いものが・・・これは、歯髄が壊死し、変わりにできてしまった膿です。

根の内部にアプローチしやすいように、入り口を拡大します。

根の内部を殺菌作用の強い薬液で洗ったところ、膿のかたまりが出てきました。

さらに入り口を拡大しました。

ここで根の長さを計ります。

犬歯は根が長いのが特徴なのですが、この特徴が根管治療を難しくします。長さを確認したところで、根の先の方を拡大します。根の先の方にあると予想される汚れを可能な限り取り除き、さらに、根の先の方まで洗浄液が行き渡るようにします。

拡大と洗浄が終わったあと、根管充填を行います。今回のケースは、根が長いため、側方加圧充填とContinuous wave condensation technique とを組み合わせた「ハイブリッドテクニック」にて根管充填を行いました。

多くのポイントを用いて、側方加圧充填を行ったあとに、ヒートプラガーにて可能な限りガッタパーチャを軟化させます。

その後、軟化したガッタパーチャを圧接します。

根管に上の部分には次回、ファイバーポストを挿入しますが、そのスペースに水酸化カルシウムを入れます。

その後入り口をきれいにして、仮フタをします。

これが術直後のレントゲン写真です。すべてのことがわかるわけではありませんが、術後のレントゲン写真からも、治療がうまくいっている様子が伺えます。

実際の動画を提示致しますのでご覧ください。

 

まとめ

根管充填後には、すでに歯茎の腫れは無くなっていました。しかし、まだ、瘢痕のようなものが残っているので、経過観察が必要になります。もしも、再発するような場合には、歯根端切除術の適応となります。しかし、いずれにせよ、長い根管が特徴で、難しい犬歯の根管治療を無事に終えることができ、一安心しております。次回は、ファイバーポストも用いて支台築造を行い、さらにコンポジットレジンにより、最終修復する予定です。

今後も再発せずに、このまま治癒に向かうことを心から願っています。

柳沢歯科医院