他院で抜歯と診断された右上6の根管治療

投稿日:2017年7月11日

カテゴリ:根管治療

抜歯してインプラントにしましょう・・・

今回の患者さんは、眠れないほど強い痛みのあった右上6についてのセカンドオピニオンで来院された患者さんです。以前に行った病院では「抜いてインプラントにしましょう」と言われたそうです。抜歯は避けたいとのことで、当院に来院されました。

術前のレントゲン写真です。確かに、根の先に炎症があるのがわかります。診査したところ、歯髄は壊死し根尖性歯周炎と診断しましたが、抜歯の前に、保存処置にチャレンジする価値は十分にあると判断し、根管治療を行いました。

充填されていたコンポジットレジンを外すと、すでに歯髄の入っていた空洞が見えました。感染経路はここでしょう。

そのあと、歯の内部にアプローチするため、穴を開けます。

内部の歯髄はほとんどありませんが、一部残っていました。しかし、これもほぼ死にかけです。

この歯は、3本の根管でしたが、それぞれの根管の入り口を拡大しました。

ここまでの一連の処置を動画でご覧ください。

このあと、根の長さを測定し、レントゲン写真で確認します。

そして、それぞれの根管をニッケルチタンファイルで拡大し、次亜塩素酸ナトリウムで良く洗い流します。

根管内の感染が可能な限り取り除けたなら、根管充填を行います。

根管充填の実際の動画を提示致しますので、ご覧ください。

術直後のレントゲン写真です。

このあと、経過観察を行います。

術後半年のレントゲン写真です。根の先の炎症が、小さくなっています。痛みも全くない、とのことなので、この段階では、根管治療が成功し、保存できる可能性は極めて高いと思います。

 

まとめ

インプラント治療は素晴らしい治療です。しかし、保存できる歯まで抜歯し行うことが、果たして患者さんにとって良い治療でしょうか?答えは「No」だと思います。

このように、根管治療により保存できる歯が、抜歯と診断されていることが多いように感じます。抜歯と診断されたあなたのその歯は、もしかすると根管治療により、保存可能な歯かもしれません。

柳沢歯科医院

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