左上7 MTAセメントを用いた歯髄保存療法

投稿日:2017年7月15日

カテゴリ:根管治療

歯髄が無くなるのは歯にとって大ダメージ

歯の内部には、「歯髄」と呼ばれるゼリー状の軟組織が入っていますが、これが虫歯などで感染すると、取り除く必要がありますが、これは歯にとってはダメージが大きく、抜歯に近づいていると言っても状態です。

 

MTAセメントを用いた歯髄保存療法

しかし、大きい虫歯で歯髄が表に露出しても、MTAセメントを用いて歯髄を保存することができることがあります。これが、歯髄保存療法です。

今回は、この処置を行い、歯髄を保存し、歯の寿命を伸ばすよう試みた症例を提示致します。

 

左上7の歯髄保存療法

左上7にインレーが不適合で、穴が空いているので、外し、内部を確認することになりました。

内部のセメントを除去し、

虫歯を取り除くと、

虫歯が大きく、歯髄が出てきてしまいました。

通常ならば、歯髄を取り除く抜髄を行うでしょうが、このような場合に歯髄保存療法を行い、歯の寿命を伸ばすよう試みる必要があります。歯髄が出てしまった部分に、MTAセメントを敷いていきます。

実際の処置の動画を提示致します。

後日MTAセメントが固まっているを確認し、

レジンで封鎖します。

実際の動画を提示致します。

 

まとめ

歯髄を取り除く根管治療は、必要な場合は確実に行う必要がありますが、歯髄を保存できた方が、歯の寿命は格段に伸びるでしょう。その歯髄保存療法をMTAセメントを用いて行うことにより、その処置の成功率は高めることができます。

今回の処置も、術後半年以上経ちますが、全く症状は出ていません。このまま、精度の高いゴールドクラウンを装着すれば、この歯の長持ちが期待できます。

歯髄が残ったまま、この歯が長持ちすることを、心から願っています。

柳沢歯科医院