中途半端な詰め物の恐ろしさ

投稿日:2020年8月27日

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インレーとは

このような詰め物のことをインレーと呼びます。このインレー、そこまで大きくない虫歯に現在でもよく使われる方法であると思います。最も一般的な利点としてあげられるのが、歯の部分を保存できることです。歯を削らずに治療できます。

 

インレーの弱点

このインレー、実は、中途半端に歯の部分をが残ってしまうために、咬合力に耐えられずに、歯が壊れてしまうことがあります。こうなると、せっかく歯の寿命を長くするために歯を残したのに、後々多大なダメージが歯に加わることがあります。

 

インレーが原因で歯髄にダメージが起きてしまった実例

ここではインレーにしてしまったがために、歯髄にまで影響が起きてしまったケースを提示致します。

患者さんは60歳代の女性。歯茎が腫れたとのことで来院されました。診断の結果、歯の内部の軟組織で神経を呼ばれる「歯髄」が壊死してしまっていることがわかり、根管治療を行いました。

もともとインレーが装着されていたため、それを外して内部をみると・・・

ヒビが入っていました。

キレイにした後、ヒビがより鮮明になりました。

ヒビを無くしたいので、なくるるかどうか削っていきます。

深く削っても、ヒビは無くなりませんでした。つまり、もっと奥まで入っているのです。これ以上は削れないので、ここでやめました。

今回、この歯の歯髄が死んでしまったのは、恐らくこのヒビからの感染です。つまり、「インレーにしてしまった」→「中途半端に歯の部分が残ってしまった」→「咬合力に耐えきれず、ヒビが入ってしまった」→「歯髄の感染」→「根管治療」という負の方程式が成り立ってしまったのです。

このように、一見歯の部分が残って良いように見えるインレーですが、逆に歯の部分にダメージが起きてしまう原因となってしまう場合があるのです。

 

ヒビが入らないようにするために工夫

このような状況にならないようにいくつかの工夫をしています。

コンポジットレジン

さらに、極力削らないようにして、その部分に直接レジンを詰めます。

これがコンポジットレジンです。

クラウン

歯の部分は犠牲になりますが、精度の良いクラウンを装着して、歯にヒビが入らないよう補強します。

 

まとめ

「歯を削らない」という言葉が散見されますが、多くの場合、「逆に残しすぎ」です。この結果、歯により深刻なダメージが加わり、歯の寿命が短くなるかもしれません。

この線引きは難しいのですが、それでも、歯の寿命をなるべく伸ばせるような精度の高い治療のできる調布市の歯科医院をお探しの方は、ぜひご相談ください。

柳沢歯科医院