根管治療の成功率が低い理由

投稿日:2022年2月5日

カテゴリ:根管治療

歯茎が腫れたり、被せ物の下で虫歯になったり、根の先に膿が溜まった時に行う治療に根管治療というものがあります。この根管治療はどの歯医者でも一般的に行う治療で、歯科治療の中でもかなり多く行われる治療行為です。

しかし、この根管治療はとても難しく、再発率がとても高いのが現状で、日本の根管治療の平均的な成功率は3〜5割程度と言われています。

根管治療の成功率が低い理由

成功率が低い理由は、保険治療では、マイクロスコープを使用できていない、ラバーダム防湿を行っていない、CTを使用していない、時間を確保できていない、材料を使用できない、難しい歯の形態が多い、など様々な問題があります。

今回はマイクロスコープの有用性について少しお話しします。

マイクロスコープは肉眼の2〜30倍ほどの拡大率で口腔内を見ることができる歯科用の顕微鏡です。

拡大しながら治療をするので技術習得には時間がかかりますが、精度高い診断、精密な治療ができるようになります。

この写真は上の奥歯の写真です。患者さんは奥歯の痛みが主訴でした。

レントゲンや細かい診査を行ったところ、根の先に膿が溜まっているので根管治療が必要と判断しました。

根管治療は歯の中の汚れを徹底的に除去して綺麗な状態にして、清潔な材料で封鎖し、その上から被せ物をすることで噛めるようにします。

今回は銀歯を外して中を見ていきます。

中に白いセメントがあります。その周りの歯が変色し、感染しているようです。虫歯の染め出し液等を使用して、上部の汚れ、虫歯を除去していきます。

ラバーダム防湿を行い根管の中へアプローチしていきます。

根の中には以前治療された古い材料が入っています。

この材料を取り除き、綺麗に洗浄し新たな材料を詰めていきます。

専門的な話ですが、歯の形は人それぞれかなり違います。歯の根っこも本数や形が全然違います。

今回のケースは3本の根っこに4箇所に穴がありました。3本の根っこのうちメインの3箇所の穴は治療されていましたが、黄色い丸枠の一箇所は全く触られていませんでした。マイクロスコープで拡大しているので気づくことができましたが、前医院ではマイクロスコープがなく気づかなかったのだと思います。

汚れが溜まった状態で封鎖してしまうと、結局中で細菌繁殖して根の先に膿を溜めてしまいます。

精度の高い治療

マイクロスコープがあれば、全ての歯が完璧に治せるわけではありませんが、精度の高い根管治療を行うためには、必須の道具です。

根管治療でお悩みの方、精度の高い治療をご希望の方は柳沢歯科医院にご連絡ください。