抜くはずの神経を保存した症例

投稿日:2017年7月23日

カテゴリ:根管治療

神経を取り除いた歯の寿命は短くなります

虫歯が大きい場合に、歯の内部に存在する神経を取り除く処置「抜髄」が必要なケースがあります。歯の健康を守るためには必要でも、神経の残っている歯と比較し、寿命が縮まることが一般的に言われています。

 

神経を保存すり処置「歯髄保存療法」

しかし、虫歯が大きく、神経が外側に露出してしまった場合でも、この神経を保存する手段があります。それが「歯髄保存療法」です。当院では、この方法をマイクロスコープを用いて処置を行い、MTAセメントと呼ばれる、世界でも信頼性の高い材料を用いて行っています。

 

MTAセメントを用いた「歯髄保存療法」を行ったケース

大学の同級生からの紹介で来院された患者さんです。右下の一番奥の歯に虫歯があるとのことで来院されました。麻酔をして、内部を探ると・・・

以外に大きな虫歯がありました。

ラバーダムを用いて可能な限りの感染を防ぎながら残りの虫歯を取り除くと・・・

神経が露出してしまいました。通常なら、ここで、神経を抜く処置を選択する歯医者さんが多いとは思いますが、自分は、神経の保存を選択しました。

露出した神経の表面を薬剤で処理し、

その部分にMTAセメントをつめます。

この後、仮のフタをして今回の処置は終了です。

この処置の一連の流れを動画で提示致しますので、ご覧ください。

 

まとめ

今回のケースは、虫歯が大きかったことは、事実なので、今後、神経を取り除かなければならなくなる可能性もあります。しかし、神経を取り除くことは、いつでもできます。神経を残すことのできる可能性があるならば、保存し、歯の寿命を少しでも長くできるよう努めることが、歯科医師の役割だと思っています。

当院では、このようなマイクロスコープ、ラバーダム、そしてMTAセメントを駆使した治療により、取り除くであろう神経の保存に多くの症例で成功しています。このような治療を受けられる歯科医院を調布市でお探しの方は、ぜひご相談ください。その、虫歯の大きい歯の寿命を延ばすことができるかもしれません。

柳沢歯科医院