小児歯科は子供を成長させる教育手段

投稿日:2017年7月9日

カテゴリ:未分類

最近来院した小学校2年生の男の子

前歯をぶつけたから見て欲しい、とのことで来院された小学校2年生の男の子。その前歯は特に問題ないため、経過観察としましたが、その他の歯はというと・・・

奥歯にいくつかの虫歯があります。これらの歯を治療しようとしましたが、彼は嘔吐反射が異常に強いのです。嘔吐反射とは口の奥の喉の方にものが入ると、通常よりも手前で、「おえっ」となってしまうことです。お母さんに聞くと、ブラッシングをしていても、この反射が出てしまうため、きちんとしたブラッシングができないとのこと。

 

当院で行ったこと

これでは治療もろくにできません。また、治療ができたとしても、ブラッシングもできないため、仮に治療ができたとしても、また虫歯ができて、同じことの繰り返し。そこで、当院で行ったことは「嘔吐反射の克服」です。こんなことは、教科書にも書いていないので、以前勉強させて頂いていた小児歯科で見ていたことを工夫した、いわば我流です。

ポイントとしては・・・

足の指に力を入れて集中してもらう

嘔吐反射のある人は、口にものが入ると、そこに集中してしまいます。なので、その集中を分散させるために、足の指に力を入れて、そこに集中してもらいました。

できたことを本気で褒めてあげる

この方法で、ブラッシングをすると、徐々に慣れて、上手に歯みがきできるようになります。このことを本気で褒めてあげる。時には、大げさに自分(歯医者側が)が嬉しい、ということを本人に伝えます。

これをしてから、家での歯みがきの状況を聞くと、「フロスが好きになった」との返答が。これ以上なない喜びですね。もっとできるようになるので、まだまだ、ブラッシングの練習をこれからも続けます。

 

彼の治療から感じたこと

彼は、嘔吐反射があるために苦手だった歯みがきと歯科治療を、自分の力で克服しようとしています。子供にとって、この苦手なことを克服できる喜びを感じさせてあげることが、その子のポテンシャルをより引き出してあげる手段のひとつなのでは、と感じているので、まさに今回行ったことは、教育。つまり、小児歯科は子供を成長させることのできる教育手段なのです。

このように、当院では、小児歯科を「子供を成長させることのできる教育手段」と捉え、子供たちの治療に携わっています。小児の歯科治療のできる調布市の歯科をお探しの方は、ぜひご相談ください。

小学2年生の彼は、最近来院すると、笑顔で受付に走ってきます。彼が、やがて大人になった時に躊躇なく歯医者に来院でき、口の中から全身の健康を守れる人になることを心から願っています。

柳沢歯科医院