根の治療に関する歯の痛みについて

投稿日:2017年11月23日

カテゴリ:根管治療

根の治療(根管治療)は、歯の痛みがあるため行うことが多い治療ですが、治療しても痛みが引かなかったり、痛みがなかった歯が治療したことにより痛みが出たりと、悩んでいらっしゃる患者さんが当院には多く来られます。

今回は、この「根の治療に関する痛み」がなぜ起こるのか、考えられる理由を、いくつかご説明致します。

 

考えられる理由①細菌感染

むし歯や、根の先の炎症の原因は細菌の感染です。身体は、この細菌に反応に、痛みが出ます。治療をして感染が無くなれば、痛みが治まるケースが多いです。逆に、治療後にも痛みが続く場合には、この感染が取り除けていない可能性があります。

考えられる理由②強い咬み合わせ

歯が痛む原因の一つに「咬み合わせる力」があります。強く咬み合わせてしまうため、歯に負担がかかり、痛むことがあります。このような場合には、咬み合わせを調整することで、痛んでいる歯の負担を減らすことにより、痛みを和らげます。また、根の治療中の歯は、デリケートになっているため、強い力がかかると、過剰に痛む場合があるので、注意が必要です。根の治療の後に痛みが出る場合に、その原因が咬み合わせが強かったから、ということがあります。

考えられる理由③治療の刺激

根の治療後に痛みを感じることが多くあります。根の治療は、歯髄と呼ばれる歯の神経を取り除いたり、根の先の組織を触ったり、刺激の強い薬液で根の内部を洗ったりと、身体への刺激が多く生じます。すると、その刺激により、治療後の痛みを感じることがあるのです。

これは不可抗力なため、誰でも起こり得ることです。しかし、自分の経験上、この痛みは必ず収まります。(治らない場合にはなにか他の原因があると考えられます。)術後の痛みの起きる可能性と、もし起きた時は必ず良くなることを伝え、治療を終えるよう心がけています。

考えられる理由④原因が他にある痛みを歯の痛みと感じてしまう

歯に原因がなくても、それを身体が、歯の痛みとして感じてしまうことがあります。これを専門的には「非歯原性疼痛」と呼びます。

具体的には、口の周りの筋肉や、脳につながる神経の痛み、場合によっては、心臓の病気の痛みを歯の痛みと感じる場合もあります。精神的なものの場合も考えられます。

このような場合には、原因が特定しづらく、歯の治療をしても、当然、原因が他にあるため、痛みは引きません。「歯科麻酔科」や「ペインクリニック」などの、専門分野の先生の診察が必要になる場合があります。

 

このように、様々なことが原因となって起こる「痛み」があり、多くの痛みは根の治療をして、細菌感染を取り除くことができれば治ります。しかし、治療により引き起こされる痛みもあれば、原因が他にあるものも歯の痛みとして感じてしまうこともあるのです。

根の治療での「痛み」で悩んでいる方は、ぜひご相談ください。

柳沢歯科医院