他院で抜歯と宣告 内部には大きな穴が・・・ その1

投稿日:2020年9月27日

カテゴリ:根管治療

他院で抜歯と言われ当院

患者さんは40歳代の男性。他院で1年以上、左上の奥歯の治療を受けて、挙句の果てに抜歯、と言われた、とのことです。

気の毒ですね。

内部を見てみると・・・

内部からは、ニキビを潰した時に出てくるような、体液が出てきています。

特殊なバキュームでその体液を吸引すると、

大きな穴ぼこが空いていました。

赤い→で示したのがそうです。

この歯、こんなに大きな穴が空いているのに加え、歯の残っている量が極端に少ないのです。私も、最初、抜歯です、と告げましたが、患者さんがそれでも残してくれ、というので、仕方がなく、また、もしもダメになったら、「ごめんなさい」ですからね、と伝え、治療を始めました。

3〜4ヶ月、矯正的に引っ張り上げ、歯茎から、歯を出して、治療しました。

術前のCT画像からも分かっていたのですが、この大きな穴の中には、前医の入れてしまったファイバーポストのカケラが落ちているのが分かっていましたので、特殊な器具で内部を探ると、

内部からカケラが出てきました。取り出せて良かったです。

この後、通常の根管治療を行いました。この治療については、後日お話致します。

 

まとめ

正直言って、この歯は、厳しいです。しかし、それでも治療してくれ、と言われたので、仕方がなくやったようなケースです。おそらく、多くの歯科医院では、抜歯を言われる歯でしょう。ダメになったら、これは、ここまで放置した、患者さん本人の責任です。というくらいの歯です。やるからには、一生長持ちしてほしいですね。

また、この穴からファイバーポストを取り出すという行為。どれだけの歯医者さんができるかどうか・・・おそらく、ごく少数と思います。むしろ、これができる歯医者さんが多ければ、私は安心です。それくらい難しいのではないか、と思います。

このような、ギリギリのケースでも、残せることはありかもしれません。このような精密な根管治療をご希望の方は、ぜひご相談ください。

柳沢歯科医院