歯の保存での一番の天敵

投稿日:2022年2月10日

カテゴリ:根管治療

歯を抜きたくない、神経を取りたくない、なるべく歯を削らない

このような希望をする方は多いです。私自身も自分が虫歯になった時には同じように希望するでしょう。

実はこの希望は、その歯の状況によって変わっていきます。

小さい虫歯の時はなるべく歯を削らない。虫歯が中等度に大きいときは神経を取りたくない。あまりに虫歯が大きい時は歯を抜きたくない。今回は歯を抜きたくないに関係することを説明します。

虫歯が大きいと歯の内部の神経まで細菌が侵入し、神経を取らなくてはいけない、もしくはすでに神経が死んで腐敗している、以前にすでに神経を取っているということがあります。このような場合の治療は根管治療という方法で治していきます。

虫歯が進行する理由は細菌の繁殖です。

細菌が歯の内部に住み着いて、内部で増殖し、歯を溶かして、根の先の方まで進行し、骨まで溶かして膿を作ります。

根管治療は細菌の除去を目的にしています。歯の内部の細菌を物理的に除去して、洗浄液で細菌を減らすことで、体が治してくれます。

根管治療は歯を残しながら細菌を可能な限り除去する方法ということです。これが極端に難しいので、日本の保険治療での根管治療は3〜5割くらいの成功率にというのが現状です。

 

当院のように根管治療に特化している医院では、マイクロスコープを使用して、CT、ラバーダムなどの道具を使用することで8〜9割以上の成功率を出しています。(詳しくはこちら

しかし、根管治療に特化している医院でも治すのが難しい状態の歯があります。それは歯にヒビが入っている状態です。

歯にヒビが入っている症例では、細菌を取り除くのがとても困難です。いくら内部を綺麗にしてもひびの隙間からどんどん細菌が侵入してしまうので、細菌を取りようがありません。

例えるならば、船の底にヒビが入って裂けてしまったり、真っ二つに割れてしまったら封鎖できず、どんどん水が侵入していくら水をかき出しても沈没してしまいます。歯にヒビが入るとどんどん細菌が侵入して、汚れを出しても次から次へ細菌が入ってきてしまいます。

神経の治療が必要になった歯です。根の先に膿が溜まっているので被せ物を外したところです。

この状態ではわかりづらいので、さらに削っていきました。


削っていくとヒビが見つかりました。(黄色い矢印)

マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)で見ないとなかなか見つからないです。

他の写真も見ていきましょう。

この歯は大きな虫歯は見当たらなかったのですが、症状が強く、原因がすぐに見つからなかったので金属の詰め物を除去して、染め出し液を使用したらヒビが見つかりました。このヒビから細菌が侵入したと考えられます。これは金属の詰め物が入っていますが、周りがヒビだらけになっています。

神経の反応を検査したら反応がなく、すでに神経が死んでいました。

これは歯を横から見た写真です。歯茎を道具で避けると歯の根っこが見えますが、ヒビが入っています。歯茎にも炎症があります。

歯のヒビ

当院ではヒビが入っている歯は全てが抜歯ではなく、治療できる歯もありますし、場合によっては、ヒビの入った歯の治療に特化している先生もいらっしゃいますので紹介することもあります。大事なことは、状態を記録して、患者さんにこの状態を理解してもらって、治療計画を相談することだと思っています。

根管治療でお悩みの方や、マイクロスコープでの治療をご希望の方は柳沢歯科医院にご連絡ください。