歯が割れていたら抜歯ですが・・・。本当?

投稿日:2023年11月10日

カテゴリ:根管治療

歯茎が腫れたり、歯が痛くなった場合に根尖性歯周炎という病気が原因のことがあります。

根尖性歯周炎は歯の内部に細菌が繁殖し、根の先で炎症を起こしている状態です。

治療法は、細菌の徹底的な除去になります。基本は根管治療が第一に行われる治療です。根管治療で治らない場合は、歯根端切除(根の先をカットする方法)、意図的再植術、抜歯などがあります。

根管治療は、歯を残しながら細菌を取り除くことが目的です。なるべく歯を削らないように、洗浄液などを多用してきれいにしていきますが、とても難しく一般的な保険治療での根管治療は成功率が3〜5割ほどとも言われています。皆様の中にも根管治療したけど、数年後に痛みや腫れが出たり、治療が終わったのに同じ歯が再治療になった方は多いはずです。当院のような根管治療に特化した歯科院では8〜9割以上の成功率がありますが、まだまだ歯科医院数は少なく、認知度も少ないのが現状です。

根管治療が得意な歯科医院でも、根管治療だけでは全ての根尖性歯周炎を治すことはできません。歯根端切除、意図的再植術などを駆使してはを残します。

しかし、どうにもならない場合があり、虫歯があまりに大きい場合や、歯が割れているケースは、抜歯になることが多いです。

歯のひび

これは、歯の内部の汚れをきれいにしても、ヒビが入っているので、外部からどんどん細菌が入ってしまうからです。基本治療はヒビがあったら歯ごと汚れを取らないと治ることはありません。

よって、歯科医師の共通認識では、「ヒビが入っていたら抜歯の可能性が高い」というのは間違いありません。しかし、ヒビというはとても小さく肉眼で見ることができないものが多いです。肉眼で見れるくらい大きヒビは、ヒビというよりバラバラになっている状態です。

当院には、他院でヒビが入っているので抜歯を宣告された方が多くきます。しかし、マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)で見てみると、ヒビが見つからず、治療をすると治ることがあります。

ヒビの判断は難しく、当院では、マイクロスコープで視認して初めてヒビと判定します。レントゲンや症状だけで判断してしまうと、ヒビではないのに、ヒビと誤診して抜歯してしまうことがあるからです。マイクロスコープは写真と動画を撮ることができるので患者さんにもみてもらい、患者さんにもヒビが入っていることを確認してもらいます。ヒビはそれぐいらい慎重に扱わないといけないと思っています。

残念なことは、一般の歯科医院では、根管治療はそもそも難しいので、治療をしてみて治らないケースをヒビと言って抜いてしまうことが実はよくあります。もちろん多くの歯科医院が誠実に診断していますが、実際に当院にはそのような診断をされて困っている患者さんがよく来院されます。

逆に何回も何年も根管治療をして、治らないので当院に来院された方の口腔内をみてみると、歯にヒビが入っていて抜歯になることがあります。これは、治らない歯を何度も治療していたことになります。1、2年治療したけど全く無駄だったということがあります。

実際のヒビ

ある患者さんの奥歯の内部を見ています。様々な角度から根の内部を観察する必要があります。

ヒビだけでなく、虫歯が残っていないか、歯が薄くなっていないかなどマイクロスコープを使用して拡大してチェックします。
違く角度から見ると、ヒビが見えてきました。

見えるでしょうか

さらに拡大してみるとヒビが見えてきました。

ここまで拡大するとヒビが見えてきます。

肉眼では絶対わかりません。

根管治療ではマイクロスコープは必須です。

根管治療でお悩みの方で調布市の歯科医院をお探しの方は柳沢歯科医院にご連絡ください。