根管治療でマイクロスコープが必須の理由

投稿日:2022年3月23日

カテゴリ:根管治療

大きな虫歯や神経をとった歯の再治療、歯茎が腫れた、歯がズキズキ痛むなどの症状に対して行う治療の一つに根管治療というものがあります。

 

(図は根管治療の流れの一部です)

歯の内部に細菌が住み着いて悪さをする感染症なので、細菌をできる限り取り除くことで治っていきます。

道具を使用して掃除したり、お薬を使って細菌を減らしていきます。

ただ、歯はとても小さいです。そして、歯の内部なのでさらに小さく複雑です。だからとても治療が難しいです。そして、歯科治療の中でも1、2を争うくらい頻度の高い治療です。

根管治療の問題は、治療頻度が多いのに治療がとても難しいことです。

根管治療でお困りの方はとても多く、当院のような根管治療に特化した医院に相談する患者さんはとても多いです。

根管治療の成功率の低い理由

根管治療の成功率が低い理由ですが、その一つにマイクロスコープの使用率が低いということが挙げられます。マイクロスコープは歯科用の顕微鏡で肉眼の2〜30倍ほどの拡大を可能にします。そして強いライトで視野を明るくすることができます。

歯の内部はとても小さいく肉眼ではとても観察できません。そしてお口の中はとても暗く強い光がないと診ることができません。

今までの根管治療は盲目的に手指の感覚や経験で治療してきました。もちろん、数十年前はそれが当たり前ですので、その中で研究された方法で可能な限り良い治療を行ってきたわけです。そして、マイクロスコープの開発により劇的に治療のレベルが上がりました。ここ10年でマイクロスコープを使用している医院は少しづつ増えてきています。

しかし、まだまだマイクロスコープの普及率が低く、修練も難しいため実戦投入ができていない医院が多いです。保険のルールでも「一部の難しい治療のみ」に使用する制度がありますが、「根管治療はマイクロスコープを使用して行うことをスタンダードにすべきである」という制度はできていないです。だんだんと良い方向に変わってはいますが、歯科だけの問題ではないので、良い治療が見つかったから全てそれでやりましょうというように大改革が起こるのは難しいです。

まだまだマイクロスコープやラバーダムについては知名度も少なく、患者さんも知らない人が多いです。

自分の歯をしっかり残したい人は根管治療はマイクロスコープ等を使用した医院で受けるべきです。

これはある患者さんの被せ物を外して、一部補強したところの写真です。

歯を一層削った状態という認識をしてください。

もし、この状態で神経に問題なければ形を整えて被せ物をすれば歯として機能を回復することができます。しかし、この歯は神経が感染して腐っているのが診査やレントゲンの像でわかっていました。歯の内部で神経が腐っていると根の先の骨を溶かしてしまいます。よってここから歯の内部を削って根管治療を行います。

歯を削ったところです。ラバーダムというゴムのマスクをして、歯の内部を見ていきます。

三つの穴が見えます。これが根の入り口です。大きい穴にさらに三つの穴がある状態です。大きい穴も綺麗にして、さらに三つの穴の先の方へアプローチしていきます。

 

しかしこの歯は穴が実は4つあります。

細い道具を穴に入れています。

3つの穴とは別の場所に細い道具が刺さっているのがわかります。

歯は人によって形がそれぞれあり、大体は決まっていますが、場合によっては根管が3つ、4つ、まんまるの穴や扁平の穴などそれぞれ違います。

マイクロスコープがあるとこのように見つけにくい穴を見つけることができます。

手指の感覚だけでは、大きい三つの穴さえも見つけらないことがあります。

このケースでは4つめの穴を見つけるにはマイクロスコープが必須でした。

穴を見つけたらから治るわけではありませんが、ラバーダムをしてマイクロスコープを使用して、徹底的に細菌を取り除くことで少しでも治療の成功率を上げることが歯を長く持たせることにつながると信じています。

根管治療でお悩みの方、虫歯治療を希望の方で調布市の歯科医院をお探しの方は柳沢歯科医院にご連絡ください。