土台を取り除くのが難しい再根管治療

投稿日:2017年7月30日

カテゴリ:根管治療

再度の神経治療の難しさ

根管治療を呼ばれる歯の神経治療は難しい治療ですが、この神経治療が失敗すると再度、神経治療が必要になります。これを再根管治療と呼びますが、この治療は通常の根管治療よりも難易度が上がります。

 

土台の除去の難しさ

再度の神経治療を行うためには、その歯に装着されている土台を取り除かなければなりませんが、この土台を取り除くことがとても難しいのです。近年、コンポジットレジンで土台を立てる処置が多くなっていますが、この材料は、歯と似ている色をしています。そのため、この材料を取り除くのは、より難しいのです。

 

コンポジットレジンで土台を立てた歯の再根管治療の症例

患者さんは、歯茎が腫れたとのことで来院されました。

歯茎の腫れです。

診査の結果、根の先の炎症である根尖性歯周炎と診断し、再根管治療を行いました。レントゲン写真でも一番右の根の先が黒く抜けています。その根の内部に薬がまったく入っていません。これは、きちんと根管治療ができていない証拠です。

かぶせ物を外すと、内部にはコンポジットレジンでできた土台があります。歯とほとんど同じ色をしているので、マイクロスコープで拡大して見ても、歯との境目がわかりません。取り外すのがとても難しいのです。しかし、やるしかないので、歯の部分を削らず、土台のみを削りとばして行きました。

土台のみを削り、

さらに削り、

土台を取り除いたあとの写真です。

実際の処置の動画を提示致しますので、ご覧ください。

 

まとめ

このように、再根管治療において土台を取り除くことは難しいのですが、その土台が歯と同じ色をしているコンポジットレジンでできていたなら、その処置はなおさら難しくなります。そのため、この処置を行い上で、マイクロスコープは必須になります。もしマイクロスコープを使わないのであれば、取り除かなければならないレジンを残してしまったり、余計な歯の部分を削ってしまったり、ときには、変な方向に穴を開けてしまう場合もあるでしょう。

やはり、マイクロスコープは、治療においてもう手放すことができません。歯の長持ちさせる治療をするためには、このツールはなくてはなりません。

柳沢歯科医院