歯茎が腫れて膿の袋ができた。痛い。

投稿日:2022年4月2日

カテゴリ:根管治療

歯茎が腫れて痛いという主訴で来院した患者さんがいました。

ここ数日で腫れてきて、急にズキズキ痛む感じがあったり、噛むと痛みが出るとのことです。

歯茎が腫れる症状には様々な病気が考えられます。

一般的には歯の周りが汚れたことによる歯周病、根の先に膿がたまる根尖性歯周炎、食片が詰まったことによる歯肉炎などがあり、他のにも腫瘍や骨が膨隆していうのを歯茎の腫れのようにも見えます。

簡単に判断できるものもありますが、判断しづらいものもあります。

特に歯の神経が細菌感染しているかどうかの診断は難しいです。そして、歯の神経が細菌感染してしまっている場合は神経を取らないといけません。ここで怖いのは、判断が難しいので神経が正常なのに神経を取ってしまうことが起こることです。

当院では、神経を保存できるのかどうかの検査を何種類か行って総合的に判断していきます。

打診、触診、冷刺激診、温刺激診、歯髄電気診、レントゲン、CT、歯周ポケット検査、など様々な検査を行っていきます。

一般の歯医者さんでも行っている検査ですが、検査を省いているところは多いです。それは経験則というものがあるからです。もちろん沢山のことを経験して、素晴らしい判断をくだせる先生はいます。しかし、そのような境地に達していないのに、その真似をする先生は多いです。自分の判断に盲信しすぎて治療をするのは危険ですし、経験則で正しい判断できるのは本当に一握りの先生だけだと感じています。私自身、自分の経験で判断した病気が、念のために検査を行ったところ違う診断になったことが何回かあります。

私たち歯科医師は何人も診ている一回の診断ですが、患者さんからしたらその一回が致命的です。

当院では、自分が患者さんだったら、時間がかかってもいいので、検査をしっかり行って診断して欲しいと思い、治療介入の前に検査の時間を長めに設けています。

最初の患者さんの話に戻りますが、歯茎が腫れて痛みが出ていました。

歯茎が腫れているのがわかります。ニキビのように膿が出そうです。

歯周病なのか根尖性歯周炎なのか判断がつきません。歯髄電気診断と冷刺激で反応がありませんでした。

これは歯の神経の生きている反応がないということです。細菌感染して腐敗している可能性が高いです。

神経は基本的には抜きたくありません。歯の神経を抜いた歯は抜いてない歯に比べると歯の寿命がとても短いです。しかし、歯の神経が腐敗している場合は、もうそれは神経ではく、腐敗物に変化しています。腐敗したものが歯の内部に存在し続けると、細菌が増殖して、根の先で膿を作って腫れていきます。

歯の内部の汚れを取っていきます。

取っている最中に唾液で汚れないように、ラバーダムをしています。

歯に穴をあけましたが、全く出血がありません。血が通ってない状態です。中がぽっかり空いています。

もう少し中の方が見えるように大きく拡大すると、中がドロドロになっていました。

ここから根管治療を進めていきます。

歯科治療で大切なのはしっかりとした診査診断です。

腫れているから、根の治療なのか、歯周病治療なのか、痛いから神経を抜くのか、ではなく、しっかりとした診査を行い総合的に判断したうえで患者さんと相談して治療計画を立てる必要があります。

根管治療でお悩みの方、虫歯でお悩みの方で調布市の歯科医院をお探しの方は柳沢歯科医院にご連絡ください。